FACCIAMO LA MUSICA

ヴァイオリン奏者がヴァイオリンについて語るサイトです

音楽家のビジネス書~著者が音楽家のおすすめ書籍~

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音楽をする上で様々な所から入る情報は意外と重要です。

それはレッスンで教わる情報だけでなく、本や人の演奏、はたまた日常や音楽と関係ない出来事が演奏に影響されたりします。
そんな中で最も手軽でヒントになる情報源と言えば本だと思います。

私の読んだ本の中でいくつかおすすめの音楽家向けの本をご紹介したいともいます。

ヴァイオリンと翔ける

著者の諏訪内晶子さんは難関と言われるチャイコフスキー国際コンクールに最年少で優勝したヴァイオリニストで、現在も世界的なヴァイオリニストとして世界中で演奏している方です。


諏訪内さんの自伝の様なものですが、これを読むと彼女のポテンシャルの高さや精神面からこの人は一流のヴァイオリニストになるべくしてなったと思わされます。


もし、ただの天才で終わっているならこの本に価値を見出すことはないと思いますが、諏訪内さんの探求心の強さや本当に音楽・ヴァイオリンが好きという気持ちの強さ、努力を惜しまない姿等音楽をしている人ならきっと感銘を受けることと思います。
成功者がいかに努力し、成功後も自分の進む道をしっかり見据えて生きているかがわかります。


私自身中学生の頃にこの本に出会い、何度も読みました。
読むたびに自分にとって感じる練習の苦しみや面倒だと思う事がちっぽけな様に感じて勇気を貰います。

ヴァイオリンと翔る

ヴァイオリンと翔る

バイオリニストは目が赤い

お次に紹介する本は、NHK交響楽団のヴァイオリン奏者鶴賀裕子さんの著書「バイオリニストの目が赤い」です。

バイオリニストは目が赤い (新潮文庫)

バイオリニストは目が赤い (新潮文庫)

この方はオーケストラの奏者らしい独特の観点を持って書かれていると思います。
N響の内部事情の話や自身の経験談は特にオーケストラで弾いている方は特に興味深い内容ではないでしょうか。

鶴賀さんはご家庭の事情で学生時代、苦労を強いられる事があったにも関わらずそれを持ち前の性格で乗り越え、N響に入るまでのストーリーはなかなか読み応えがあります。
時代もあるとはいえ、鶴賀さんの行動力と大胆さに驚きます。
しかし実際本で読んだ事から私自身積極的にいかなければ後悔すると思うようになり、少なからず良い刺激を貰いました。


プロオケ奏者の舞台裏話や、団員が普段どの様なルーティーンで仕事をしているか、また入団オーディションに関する事は私にとっては必見物でした。

鶴賀さんの性格もあると思いますが、この本を読むとプロのオーケストラ奏者が近い存在に感じられると思います。

本物の男はリハーサルをしない

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アメリカ・ボストンポップスのオケの元コントラバス奏者ジャスティン・ロックという方の著書で、これまで読んだ本の中でも私自身最も影響を受けたと言える本です。

各章がそこまで長くなく、明確で面白可笑しく語られているので比較的さらっと読める一冊だと思います。
逆に音楽にそこまで詳しくなくても彼と彼の周りで起こる事件や出来事は笑えたり感動出来ます。

さらっと読めるけれどこの本を私自身は何度も読み返しました。


特に彼の若い頃の行動を綴った章は若い音楽家にとって多くのヒントを与える内容となっています。

コントラバスはピアノやヴァイオリンと違いある程度大きくなってから始める楽器で、彼自身スタート時は何もわからない状態でほんの少しの好奇心で始めた訳ですが、そこからの成長劇は必見物です。

楽家として成長するための精神論、演奏家としてだけでなく企画者としてのユニークな発想、この一冊から多くの事を学べると思います。

~番外編~樫本大進さんのインタビュー記事eAREA

本ではありませんが、雑誌AREAの連載記事で人気のため電子書籍化されたものが今回紹介する「eAREA現代の肖像」です。
世界一流オケと言われるベルリンフィルコンサートマスターになった樫本大進さんのコンマスになるまでのストーリーを綴っています。

現代の肖像 樫本大進 eAERA

現代の肖像 樫本大進 eAERA

短いものの内容はとても濃く、ソリストとしてすでに評価されてきた樫本さんがコンマスになった事で自身に降りかかるプレッシャーや不安をどう乗り越えてきたかは見物です。
これほどの実力があってしても緊張やプレッシャーはあるのだと思うと、親近感が湧きながらも、樫本さんはとても誠実で責任感のある人なのだと尊敬もします。

電子書籍で100円で手に入れられる気軽さでありながら内容は濃厚なのでおすすめの一冊です。

シューベルト:八重奏曲

シューベルト:八重奏曲

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