FACCIAMO LA MUSICA

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イタリアで受験する話~音楽院編~

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藝大入試に引き続き、イタリア編です。

 

イタリアで留学生として過ごす間、学校にいくつか通っていた訳ですが、勿論入試やオーディションがあります。

 

今回は留学の一番最初に受験した音楽院について書いていきます。

 

 

 

音楽院

まずイタリアに留学する為に最初に受けたのが音楽院(conservatorio)です。

 

試験の課題曲はそれなりの量がありますが、何より大変だったのが留学するための書類を作る事でした。

 

文化会館、大使館、警視庁等様々な機関に足を運んだり翻訳を依頼したりしなければいけない事が結構あるのでイタリアに渡るまでにその手続きを済ませていなければ受験できません。

 

受験の申し込み

 イタリア留学の際は受けたい年度(イタリアの年度初めは秋)の前年度の3月までにイタリア文化会館へ留学希望の申し込み用紙と為替を送ります。

 

私が受けたのは2016年‐2017年の年に受験をしたので2016年の3月までに申込み用紙を送りました。

 

 

その後会館から書類が送られてくるのでそれに目を通します。

 

4‐5月頃に説明会が2,3回くらいに分かれて行われます。説明会は一度行くだけで大丈夫なので希望の日程をメールで返信します。

 

イタリア文化会館の説明会では受験願書の書き方、必要書類の準備の仕方、簡単なイタリア語の試験が行われます。

 

イタリア語の試験は大体A2くらいのレベルなので普通にイタリア語の勉強をしていれば合格出来ます。

 

私はイタリア語の勉強を始めたのは10月以降なので半年くらい毎日勉強してその試験を受けた事になりますので、勉強する必要は勿論ありますが決して厳しいレベルではありません。

 

 

説明会時に戸籍抄本と写真を持っていくと出生証明書をして貰えました。

即日で作ってもらえますが、説明会の後3,4時間待つ必要があります。

 

説明会で聞いた話と貰った書類に乗っ取って書類を作っていきます。

必要な内容はイタリア文化会館のサイトの音楽院の留学のページで正確な情報をお確かめ下さい。

 

 

書類の作成

必要な書類は

  • 大学または高校の卒業、成績証明書(公証・翻訳必須)
  • 出生証明書(翻訳必須)
  • ビザ
  • 無犯罪証明書(翻訳必須・留学先の地域による)
  • 入試願書
  • パスポート

 

既にイタリア文化会館で出生証明は出来ているのでクリアしています。

 

  1. 大学に教務に行って大学の卒業、成績証明書を貰いに行く
  2. 警視庁へ無犯罪証明書を申請、受け取る
  3. 入試願書を記入例に乗っ取って記入する
  4. 書いた願書を公証役場で公証印を押してもらう
  5. 証明書類と公証印を押された願書を外務省でアポスティーを申請、アポスティーユの証明書を貰う・
  6. 証明書全般を翻訳、大使館での公印を大使館(もしくはイタリア文化会館)公式翻訳者へ依頼する
  7. 翻訳された書類を送り返してもらいそれをイタリア文化会館へ送付する
  8. 書類を受け取ったメールがイタリア文化会館から来るので最終確認の為に会館へ行く

 

数年前の事なのでいくつか行動が前後、抜け落ちている事があるかもしれませんが大体こんな感じで準備を進めました。

 

翻訳の依頼に関しては、イタリア文化会館から貰った翻訳者のリストから片っ端に連絡し、その中から返事が早く、料金がそこまで高くない方に依頼しました。

 

イタリア会館へ送付した後に書類が届いた連絡が行き、そこで最終確認が行われます。

修正が必要なら修正をし、それでOK が出れば文化会館がそれらの書類を音楽院へ送ります。

 

3人子連れイタリア留学記

3人子連れイタリア留学記

 

 

ビザの申請

例年、7月末から8月中旬あたりで次の年度に向けた留学生の為のビザ申請の受付が始まります。

 

受験前にビザを発行し、入学が決定したらそのまま滞在できる仕組みになっていました。

 

しかし私の年は受験が終わった後に合格証明書を持って申請する形になりました。

 

 

  1. 合格決定後、音楽院に入学証明書を書いてもらう
  2. 留学中の滞在先で大使館で発行された宿泊証明の書類を宿泊先の責任者に書いてもらう
  3. 宿泊先の責任者の身分証明書のコピーを貰う
  4. パスポートの身分証明書になるページのコピー
  5. 留学費用をカバーできる留学費の証明
  6. 一年間の海外で通用する保険
  7. イタリア行きの航空券のコピー(予約済みの場合)

 

5番の留学費の証明は、通帳のコピーで大丈夫です。

口座残高は100万~300万円くらい必要ですが何万円以上というはっきりとしたボーダーラインがないのでよくわかりません。

 

イタリアで通用する保険は日本で申請できるものとしてゼネラリ保険のみで高額ですが、2年目以降はイタリアで安いものを申請してそれで大丈夫なので2年目以降は保険料の節約も可能ではあります。

 

準備するものは沢山ありますが留学している人は皆この一連の行動をこなしています。

一つずつ行動していけば決して難しい事ではないので留学したい方はとにかく行動するのみです。

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入試の課題

 入試の課題は大体毎年同じだと思いますが、微妙に変わっていたりするので音楽院のサイトで確認します。

 

私は既に留学先の音楽院の先生に習っていたのでその先生から情報を貰い、先生に受験曲を私の弾きたい曲の候補の中から決めて貰いました。

 

私が受けた時の課題はヴァイオリンはこんな感じでした。

  • 外国人の場合はイタリア語の試験
  • バッハの無伴奏の中から緩急異なる2つの楽章
  • ヴィルトゥオーゾピース
  • 任意のヴァイオリン協奏曲から1つの楽章
  • 任意のヴァイオリンソナタから1つの楽章

 

 外国人の場合、まずはイタリア語の試験に合格しなければ実技の試験を受験する資格がありません。

 

年によってイタリア語の試験の難易度が上がったり下がったりするのでどれくらい出来たらいいのかというレベルがわかりません。

 

私の年の場合はほぼ全員の外国人がイタリア語の試験を合格していますが、その翌年は半分くらい落とされています。

 

私の場合はほぼ全員が合格できる運が良かった年であることと、既に音楽院の先生と懇意にしていたこともあり、語学の試験は問題なく通りました。

 

受験した時の話

私の年はヴァイオリンの外国人受験者が結構多く、5人いたのですが、定員は3人で結局2人が合格でした。

 

基本的に外国人の定員はどの楽器も1人という設定ですが、受験者のレベルによっては定員オーバーしても合格を出すので定員の数はデフォルトでしかないと思います。

 

 

朝に受験者が集まり、特にタイムテーブルもなく弾きたい順から弾くという感じでその辺はイタリアらしい感じでした。

 

課題は先程の項目で書いた通り結構ありますが、一曲につき5分も聴くか聴かないかという感じなので大体一人多くて20分くらいが持ち時間となります。

 

伴奏者は自分で用意する必要があるので全く知り合いがいないで受験する人は音楽院の事務の人に伴奏者が必要だと言って、音楽院の伴奏助手の人を紹介してもらう等行動する必要があります。

 

試験の雰囲気は割と穏やかで、演奏の前後に先生に質問されたりもあったので変に緊張する事もありませんでした。

 

最後に

色々と書類を揃えたりする事は面倒ですが一つずつクリアしていくしか道はありません。

 

試験に関しても事務や先生、ホームページの試験課題で言う事が違うという問題が起こるとイタリアに留学するときに色んな人から言われました。

 

私の場合はその様な大きな問題もなく比較的順調には行きましたが、それでも書類関係で大使館の人から納得いかない事を言われてイライラしたりもしました。

 

 

留学を考えている方の参考に少しでもなればと思います。

 

また、質問や相談などございましたらお問い合わせください。無料体験レッスンで相談に乗る事も出来ますので気になる方はお申込み下さい。

 

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