オーケストラと愉快な仲間たち
私の働いているRAI国立放送交響楽団のメンバーはいい人達ばかりです。
皆仲が良く、面白い人達で、そんな彼らとの面白いエピソードをまとめていきたいと思います。
オーケストラの仲間は親戚の集まりみたいなもの
RAIのオーディションに合格した直後に団員の方に言われたのが「ここにいる仲間たちは皆家族だから、なんでも話していいし頼って良いんだよ」という事でした。
この現在まで仲間たちに沢山助けられて来たし、今後もきっと沢山頼る事となると思いますが本当に心暖かい人達の集まる素敵なオケにいれて本当に良かったと思っています。
私はイタリア語がまともに話せないのでコミュニケーションをする上で苦労するのですが、それでもメンバーの人は私の拙いイタリア語でも理解してくれて、仲間の輪に入れてくれます。
私のいるオケではありませんが、別のとあるオーケストラにはいじめがあるという話を聴いたこともあったのでオケってそんな怖い所なのかと怯えていましたが、実際はそんな事ありませんでした。
セクションプチパーティー
私はセカンドヴァイオリンのセクションにいるのですが、セカンドヴァイオリンはセクション内での絆が強いです。
私は書類関係で困ったときにセクション内の先輩に非常にお世話になっています。
それだけではなく、セクションの皆で練習の合間にちょっとしたパーティーをする事もあります。
クリスマス前にはパネットーネやワイン、お菓子、サラミ等を持ち寄ってクリスマスのプチパーティーも行われました。
先輩方は「ファーストヴァイオリンにはこの習慣はないからパーティーしたいならセカンドに残る事だよ」なんて言っていました。
ここのオケは、入団すると大抵セカンドヴァイオリンに入り、数年後にファーストヴァイオリンに入る人が多いです。
それでも中にはセカンドにずっとい続ける人もいるのでもしやパーティーの為…なんて勝手に思ったりもしました(笑)
セクションの絆その2
現在はコロナの影響で演奏活動が出来ない状態です。
そのため、RAIでは毎日団員が作った動画を配信しています。
セクションのリーダーのリゲッティさんがセカンドヴァイオリン皆で動画を作ろうという事で、一人2小節ずつ撮ったビデオをつなぎ合わせて一曲にした動画をつくりました。(下の動画がその配信されている動画です)
5月中旬にはセカンドヴァイオリンのセクションを中心とした弦楽オケの演奏会も企画していましたが中止になりそうです。
けれど、再開する事を希望を捨てずに辛抱強く、とにかく皆で待ち続けています。
クリスマスパーティー
セクション内でのクリスマスプチパーティーを行いますが、それ以外にもクリスマス演奏会前に女子更衣室でもお菓子屋やプレゼント、パネットーネ等を持ち寄ってお祝いをしていました。
そして、演奏会後はRAIのメンバーや指揮者、お客さんも含めて軽食を囲ってちょっとしたパーティーが開かれました。
常任指揮者のコンロン氏からの挨拶があり、この一年ありがとうございました、また来年も素敵な年になりますようにといった一言があり、このパーティー含めクリスマスの演奏会はとても素敵な思い出となりました。
いたずら好きな仲間たち
演奏の時は皆勿論演奏に集中していますが、舞台から降りれば皆冗談を言ったりいたずらしたり、本当に自由です。
去年の末にヴィオラの首席の人の声掛けで室内オケをオケの中で組んでデゼンツァーノという街で演奏会を行いました。
その演奏会の後、それぞれ車でトリノまで帰るのですが、駐車場を出ようとする仲間の車のドアをみんなして開けたりして邪魔をしていました。
車に乗り込む仲間の車の窓ガラスに張り付いたりやりたい放題していますが、よくある光景らしいです。
そういういたずら好きな所もイタリア人らしくてかわいいなと思います(笑)
本当か嘘か
クレモナにて、サンタチェチーリア、ミラノスカラ座、RAIのオケのメンバーによる弦楽オケの演奏会を行った時の話です。
まず、イタリアの3つの主要なオケのメンバーが集まる演奏会で、元々予定していたスカラ座のセカンドヴァイオリンの首席奏者の方が出演できなくなったところから私に連絡が来ました。
まさかこんな素敵な演奏会に新人の私に声が掛かるとは思わなかったのでびっくりしたと同時に嬉しくてこの素敵な演奏会の事は一生忘れないでしょう。
まず、演奏会のリハーサルの開始時間は聞いていたのですが、終わる時間は聞いていなかったのでグループチャットで質問をしました。
夜の7時からリハが開始なので、プログラムの量からしても11時過ぎ位に終わるかなと思っていたのですが、サンタチェチーリアのコンマスが「夜の3時までやるよ!」と書き込んだので目を疑いました。
そして、この書き込みに対して連絡等を担っているRAIのヴィオラ首席の方が「え、知らなかった?3時半までやるって言ったよ」と書いたので私は彼らのその言葉をまるっと信じました。
リハの当日、会場に着いたら夜の3時までやると言った例のサンタチェチーリアのコンマスに「あれ、本当に信じたの?日本人に冗談は通じなかったか~ごめんよ~」と言ったので冗談で良かったと思いました。
その他にもこの時の演奏会はリハを含め非常に高いレベルのアンサンブルをしながらも本当に楽しくて、こんな素敵な演奏会に声を掛けてくれたRAIのヴィオラの方に感謝しています。
最後に
まだまだ沢山面白いエピソードはありますが、また次の機会にまとめていけたらと思います。
本当に素敵で楽しい人たちに囲まれたRAIは素敵なオーケストラだと思っています。