FACCIAMO LA MUSICA

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効率の良い練習法を考える

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ヴァイオリンを楽して上達、というようなよくあるダイエットの宣伝の様な学習法は存在しません。

少なくともある程度練習の量は必要ですが、効率よく練習する事で時間の無駄なく上達する方法はあると思います。

 

 

 

 

上達には量をこなす

短時間の練習で上達したいと思っていた方からすれば、量をこなすなど、いきなり全く効率の良い話ではないかと思われるでしょう。

 

 

一番最初に書いた通り、楽して上達するメソードがあるならとっくの昔に皆凄腕のヴァイオリニストになっています。

 

英会話やダイエット、その他何事にしても最近は短期間、簡単な方法、少ない努力で大きな効果が得られるといった謳い文句で人を呼び込もうとしていますが、そんな甘い話はないと思った方がいいでしょう。

 

 

他の記事でも書いた通りまずは毎日練習を続ける事です。

 

violinoarco.hatenablog.com

 

 

量と目的を決める

私の場合は比較的反復練習は苦痛ではなく、むしろ曲を練習する事が苦手でした。

 

音階や基礎練習など最初から明確な練習法と目標があるとそこまで練習は苦痛ではありませんでした。

 

 一方で、曲を練習すると部分によって使うテクニックが異なります。

なのでそれに合わせた練習法を考えていかなければいけないのですが、それが私にとってはとにかく苦手な事でした。

 

曲の中のテクニックの練習方法は、これまでの曲や基礎の教本でやってきたことを組み合わせていけば出来る事なのですが、自分で練習していると意外とこれに気が付きません。

 

 

私の場合、反復練習は耐えられるタイプだったので、曲で弾けない部分が出て来たらまず、数小節を50回や100回決めてその数をこなすまで次のパートに行かないという感じで練習していました。

 

勿論反復練習の時も、出来るようになる事を目標に練習します。

 

もし弾けないなら弾けるテンポに落として弾いたり、使う弓の位置を変えて弾いてみるといいでしょう。

 

色々な弾き方で試す方がしっくりくる弾き方を見つける近道になります。

 

大抵弾けないのは体がその部分を弾く記憶が出来ていないのでまずは繰り返すことで体が覚えるまで弾く事も必要だと思います。

 

私にとって反復練習は比較的楽な練習なので、そういう意味では楽して…とまではいきませんが簡単な方法で上達するかと思います。

 

 

動作の仕組みを理解する

ヴァイオリンの上達は練習してなんぼの世界だと思っている部分は少なからずあります。

 

実際に国際コンクールで優勝、入賞している人達の練習量を尋ねると、とにかく使える時間は練習に当てている人がほとんどです。

 

なので練習時間は先程の項目で書いた通り大切です。

 

ただ、長い時間を練習してもレベルの高い音楽をしている人ほど考えて練習しています。

 

 

まず、演奏は一つの動作です。

 

その動作をスムーズに行うためには一つずつ順序立てて考えていく必要があると思います。

 

例えば移弦をA線からE線に行う事を順序だてると

  1. A線を弾いている腕の角度をまずE線の角度に下げていく
  2. 腕をE線に下げる時、まだ音はA線を弾いている
  3. A線からE線に弓が弦に触れる瞬間に手首と指先を微調整して出来るだけ音に段差がないように滑らかに移弦する

 

なので移弦は腕から行い、音が変わる瞬間に手首と指先が動くという感じです。

 

実際に弾くとこれらの動作は速く行われなければいけないのでほぼ同時に行われているように見えます。

 

しかし順序立てせず体がどう動くかを理解して弾かないと不自然だったり難しいテクニックと組み合わせた時に弾きにくくなってしまいます。

 

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右手と左手は別の動作

右手と左手がしっくりこない、弾きにくい時は右と左の動作の情報量が多くてそれを処理しきれずに弾いている場合があると思います。

 

右手がどの様な順序で動くのか、左手の動きもどうなっているか一度一つずつ順番に動きを考えて練習していく必要があります。

 

 

ヴァイオリンは右手と左手は全く違う動きをしなければいけないので二つの動きをごちゃ混ぜにしてしまうとうまくいきません。

 

練習する時に左手を弾かずに開放弦で弓だけで練習し、移弦や弓の使い方だけを覚え、その後に左手を付けて弾いてみるとより自由に弾けると思います。

 

左手においても、もし弓が複雑なのであれば一度スラーやスタッカートを取り払って左手をポジションや手の形ごとに感覚を覚えていきます。

 

 

複雑なテクニックと音楽は基礎の応用

 複雑なテクニックも音楽的な内容も結局元を辿れば基礎の応用になります。

 

複雑なテクニックは基礎を組み合わせたものであるので、もし曲の中で難しいテクニックがあればそれに似た練習曲や教本を取り出して練習します。

 

 

また、音楽の話とテクニックの話は以前の記事でも少し触れました。

violinoarco.hatenablog.com

 

音楽を表現するの為には技術がある事が大前提です。

 

例えば「心を込めて丁寧に弾きたい」と思ったらどう弾けばいいのでしょうか。

 

丁寧に聞こえる様な弾き方というがあり、それは弓の使い方だったり左手のビブラートの加減だったりと様々な技術をクリアして初めて丁寧に聞こえるのです。

 

どんなに頭で丁寧に弾こうと思ってもそれを実行出来ていないと音は丁寧に聞こえません。

 

 

最後に

記事で書くと全体的に漠然となり、具体例を示すべきなのかもしれませんが、レッスンの時はその課題に合わせて動作を一つずつ説明する、もしくはその動作を覚える為の練習法を指導するようにしています。

 

特に経験が浅いと、どのテクニックに対してどの様な動作を順序立てて行うかを一人で考えて解決する事が難しいので、まずはレッスンでどう練習していくか順序立てて指導してもらうと効率よく練習できるようになると思います。

 

 

質問や気になる事等ありましたらご連絡ください。

無料体験レッスンも行っておりますのでもしご興味がございましたらサイトの方からお申込み頂ければと思います。

www.sawamusicclass.com