ヴァイオリンレッスン日記④
日本と同様、行動制限がイタリアでも解除されて、日常でも変化が出てきた事でレッスンの日時も変化が出てきました。
オンラインの生徒さんとは一番長い期間で約2か月半程となりましたが、この短期間でも良い意味で随分変わったと感じています。
成長がみられるのは数か月後
ヴァイオリンに限らず努力が必要なものというのは一朝一夕で成長できる訳ではありません。
時間をかけてじっくりと練習し、数か月後に振り替えると随分進歩したと感じるものだと思います。
オンラインでレッスンをしている生徒さんの一人で、私とレッスンを始めて約2か月になる小学生の生徒さんがいます。
その子はあともう少しで私とレッスンを始めた頃にはまだ最初の方だった教本の1冊を終えようとしています。
小学生低学年といえどわからない所は積極的に質問したり、最近では新たなテクニックを習得する練習を始めたりと随分と大きな変化が見られています。
しかし、毎回のレッスンが必ずしも順風満帆ではありません。
時には練習の方向が違ってしまったり、新しい曲を弾く事に気を囚われて良いフォームが崩れたりと進んだり止まったりを繰り返しています。
けれど最初の頃と振り返ると随分と大きく成長していて今後の成長も非常に楽しみです。
親の手助け(お子さんのレッスンの場合)
小さいお子さんや小学生くらいのオンラインの生徒さんが何人かいるのですが、レベルの程度や年齢によっては保護者の方の手助けが必要になってきます。
対面のレッスンであれば、保護者の方にはレッスンを見学してもらうことを言ったとしても、レッスンに介入することは基本的に言いません。
しかし、オンラインの場合は触れる事が出来ないため、お子さんがわからない時に介入してもらう事をお願いしています。
お子さんがレッスンを受けるのであって、どんな年齢であっても親がどうこう言ったり手を出すのは良くないと考える先生はもちろんいると思います。
しかし私の場合は寧ろ小学生くらいまでの生徒さんの場合は介入したり、保護者の方がレッスンでわからないことを質問して貰った方が弾けない、またはわからない問題の解決になると考えています。
口を出さないにしても、お子さんがレッスンを受けている様子を傍で見て、指摘された事をメモを取ったりしている親御さんもいます。
レッスンで言われたメモに関しては私の母や、同じ門下の優秀な子の親御さん程この様なことをしていました。
どうしてもレッスンを受けている時は自分で書き込む余裕がないのでこうした手助けはできるのであればある方が良いと思います。
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録画、録音について
私自身がレッスンを受ける側の時に録音を良くしていたので、生徒さんがレッスンの録音や録画をすることには抵抗がありません。
一つだけお願いしたいのは、録音や録画はレッスンの復習の目的であって、他の人に見せたり聞かせたりしないことです。
それだけを守って貰えたら問題ないと思います。
寧ろレッスンで言われた事を忘れてしまわない、思い出す為に録音や録画はおすすめしたいです。
実際に先生がどんな音で弾いた、どの様に弾いたというのは言葉だけでは思い出せない事もあるので記録がある方がずっとわかりやすいと思います。
楽器についての質問
何人かの生徒さんにあった楽器についての質問について少し紹介します。
私自身もこれらの質問はなかなか興味深く、職人さんほど詳しくはないにしても楽器を弾く人間として話したいことではあります。
楽器は古い方が良い音が鳴るのか?
楽器は古い、新しいだけでは価値が決まりません。
中には新作でも非常に良いものもあり、プロの方でも新作を敢えて使っている方もいます。
古い楽器は調整をきちんとされていないものだったり状態が悪いと鳴ってくれないので、楽器の健康状態の良さは新作の方が確実ではあります。
もちろん古い楽器で良いものであれば音の質や深み、弾いた時に楽に音が鳴ってくれるので新作にはない味を出してくれます。
どちらもメリット、デメリットはありますが古い楽器にかなりの価値が付くのは、やはり新しいものには出せない独特な木の状態にあるのだと思います。
新作の楽器は重たい?
かつてほぼ新作(買った時は作られて2年程しか経っていなかった楽器)を私は弾いていました。
新作の楽器を使っていた時、実際に私も重いと感じていました。
逆に楽器屋さんで古い楽器を試すとどれもその新作よりも軽いのです。
それについて楽器屋さんに話をすると、「新作は木の中の水分量が多いから重く感じるんだよ。何年もかけて木が乾いてくると楽器が軽くなって、より味わいのある音になる。」ということを言っていました。
中には軽い楽器もあるのですが確かに全体的に重さはあると思います。
とはいってもヴィオラの様にとんでもなく重い訳ではないのでほんの少しの違いではあります。
E線を保護するチューブがない
弦には色々な種類の弦がありますが、E線は細く切れやすいことから駒と弦が擦れない様にするための保護チューブの様なものがあらかじめE線についています。
このチューブが弦の種類によってはありません。
これがないと良くないのか、ない場合は付けてもらう必要があるのかという質問をされました。
正直な話、私はE線の保護チューブがあまり好きではありません。
というのも、これがあることでE線の音の響きを止めてしまったり、付けているのに途中でチューブが破れてしまったことがあったからです。
あくまで弦が切れにくくするものなので、絶対にないといけないものではありません。
切れない様に調弦の時に注意さえすればそんなに頻繁に切れる訳でもないと思います。
保護チューブに関しては弦についてなければそれでいいと思いますし、気になるのであれば楽器屋さんに言って付けてもらうすればいいでしょう。
最後に
今レッスンを行っている生徒さんは皆さん熱心です。
コンクールを準備していたり、より高度なことを学びたいという生徒さんには、時にはかなり細かく指摘したりすることもあります。
優しく、楽しくレッスンできる先生であれたら良いのですが、必ずしもそれが生徒を上達させる先生の条件になるというと少し違います。
レッスンで怒ることはまずしませんが、「これを守って練習しないと問題は解決しないよ」と少し厳しく言う時もあります。
厳しい先生、優しい先生がいると思いますが、生徒さんの目標が高いなら成長したことを必ず評価しつつもある程度厳しく言う事も辞さないべきかなとは思います。