コロナ以降初の演奏会
ようやくこの最近ライブや動画でなくてお客さんが来れる生の演奏会が出来るようになりました。
遂に私も演奏会がいくつか入り始めました。
緊急事態宣言後初の演奏会
イタリアで緊急事態宣言と行動制限が始まったのが2月末で、そこから今まで全く演奏会をすることが出来ませんでした。
私にとってはコロナの行動制限後初の演奏会が明日27日に控えています。
約4か月は全く活動が出来なかったので活動出来る事はとても嬉しい事ですが、まだ完全にこれまで通りでもなく、入場制限等対策をせざるを得ません。
演奏する側も演奏者と演奏者の距離を取るようにしたり、自分たちの好きな位置に立つ/座ることが出来ないのでそのあたりをストレスに感じる人も多いです。
私が明日出る演奏会の企画は、Unione Musicaleという演奏会を企画している財団の子供でも楽しめる演奏会です。
なので演奏会自体は1時間程度と短いです。
Unione Musicaleは以前の記事でご紹介したので、まだ呼んでいない方はご参照ください。
この演奏会では、一つの作曲家を取り上げてその作曲家について役者さんのお話ありのカジュアルな演奏会となっています。
演奏会のプログラムはピアノ5重奏のシューベルトの「鱒」です。
なのでシューベルトをテーマにしています。
先日、滞在許可証の提出書類の為にRAIのオーケストラのマネージャーの家にお邪魔した時、役者の人が私の出る27日の演奏会の為の衣装を取りにRAIに来ていてばったりであったと話していました。
特にUnione Musicaleの企画する演奏会はソロや室内楽等の小編成の演奏会が多く、オーケストラよりも早く演奏会の再開をする事が出来たのだと思います。
今後の演奏会
いくつか既に予定のある演奏会がありますが、いつキャンセルになるかわからない状態での事なのでギリギリになるまで告知が出来ないのが現状ではあります。
定員いっぱいのお客さんに来て欲しい反面、入場制限があるので定員以上は入れる事が出来ないという大きなジレンマを抱えています。
会場を屋外にする演奏会もあるのですが、先日私の友人が屋外の演奏会に行ったら蜂に刺されたと言っていました。
小さな蜂に刺された程度でアレルギー等も起こらず大事にはならなかったものの、外だと熱中症や虫等のデメリットもあると考えると屋外の演奏会も考えものです。
これまでにも屋外の演奏会は行った事があるのですが、風が強くて楽譜が飛ばされたりめくれない問題や外の音の問題で毎回困るので長時間の演奏会を外でするのはあまり好きではないです。
以前、夏のフェスティバルでオペラやシンフォニーの演奏会を外でやったときはしんどかったです。
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演奏家が守られない
以前からトリノ市議会との癒着で騒がれてきたので、今更…というのが正直な所なのですがTeatro regio(トリノ王立劇場)でまた問題が起こっています。
簡単に書くと、劇場の偉い人が企業や市からの援助のお金を出演者やスタッフの給料に回さずに私腹を肥やす為に隠したという話です。
私がTeatro regioに出演して1年や2年もお給料を払われないという事はなかったのですが(それでも最大半年はお給料を待ったこともありました)長い間払われない出演者が後を絶たないとのことです。
コロナでその悪行が目立ったこと、音楽家の立場を守るべき人が守らないことが大きな問題となり、汚職をした人は逮捕されるだろうとのことです。
長い歴史のあるTeatro regioの現在を知れば知る程、残念な話ですが、かつての素晴らしい功績に泥を塗っているように見えてしまいます。
純粋にトリノの劇場を守っている音楽家やスタッフの人達が潰されないように彼らを応援しようというメッセージがSNSやRAIのメールでも来ました。
この数年信頼の厚いトップの人達が立ち去ったり理不尽な理由で追い出され、Teatro regioが潰されるのではないかと思う様な事が起こっています。
こういった悪いニュースは非常に胸が痛い思いですが、それでも音楽家の人達とTeatro regioを応援する街の人達はクリーンで明るい劇場を守ろうとしています。
最後に
今月ようやく演奏会が少しずつ始まるようになって、7月もまだ告知は出来ないのですが、一応演奏会の予定はあります。
元々芸術系の職業は立場が安定しないと言われますが、このコロナで音楽家はかなり危うい立場になってしまいました。
それでも人と一緒に演奏したり実際に生で演奏を届ける喜びは何にも代えられません。
ネットが普及した今、ライブ配信も可能ですが、やはり生で演奏家の演奏を聴く楽しさとは全く違うと思います。
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