ヴァイオリンレッスン日記⑤
約2週間に一回の恒例のレッスン日記です。
イタリアでは自粛が解除されてきておりそれに伴い、予定が入ったり急遽キャンセルになったりで、急遽生徒さんにレッスンの時間をを変えて貰ったにも関わらずその時間が空いてしまったという事が何度か起こってしまい、それが今一番大きな悩みです。
中途半端な状況
完全に自粛だった時期と比べて、今の方がレッスンに関して個人的に不安が大きいです。
自粛解除が始まって演奏会や対面レッスン等が可能になった事で外出する必要が出てきて、それに伴いレッスン可能時間を変える事が出てきました。
しかし、予定が決まったにも関わらずギリギリになって急遽変更やキャンセルも相次いでいます。
あらかじめ決まったレッスンに関して変更は出来る限りしないつもりでいますが、時々外せない用事のためにわざわざレッスンの時間を変え、それにも関わらずそちらの用事や仕事がキャンセルになった事がありました。
コロナの事がなければそう頻繁にキャンセルする事ではないのですが…。
一番最悪だと思ったのは、つい先日の話です。
数日前演奏会の出演依頼の連絡が来ました。
会話は以下の通りです。
連絡してきたPさん(以下Pさん)「リハーサルを〇日にするのでその日大丈夫?」
私:「オンラインレッスンがこの朝あるから午後なら出来る」
Pさん:「えー、じゃあそのレッスンの時間変えれないの?」
私:「何時ならいいの?」
Pさん:「他の演奏者の予定も聞いてから決めるけど、スイスから来る演奏者もいるから、彼がトリノにくるタイミングに合わせてあげないとまずいよね~」
私:「生徒さんと話してみるから、また時間がわかったら教えてね」
時間が確定していないので一日空けて欲しいというのはわかります。他の演奏者が他の国から来るのでリハーサルの出来る時間が限られていることもわかります。
それでも連絡してきた人からの言葉に内心、「皆の都合を考慮するんじゃなくて一人の都合だけを考慮してるだけじゃないの?」とひねくれた私は思ってしまいました。
そこそこ長い付き合いで良い人なのは良く知っているので、Pさんをすごく悪く思うつもりはないのですが彼に対して少し神経質にはなっていました。
ところが、そんな話をした数日後に「やっぱり演奏会延期になった」と連絡がありました。
延期自体はこの状況下仕方のない事ですが、私に予定をずらさせるよう言ってこの結果にまた一人で悶々としていました。
この件に関してはまだ生徒さんには時間の変更をお願いしていなかったので早いタイミングで延期になってよかったとも安心しています。
レッスンで集中する
レッスンに集中出来る時、出来ない時というのは誰でもあります。
特に小さい子はレッスンでぼんやりしている、ふざけて他の事をしだしたり全くレッスンにならない状態も起こります。
それに対してどれだけ言うかというのは先生よって様々です。
それを厳しく言う事が悪い、遊ばせるように叱らずにやらせるのが良いとは一概に言えません。
小さい子に関しては弾ける弾けないは置いておいて、先生の話を聞けるか、話を聞いて理解しようとする事が出来るかどうかが一番大切だと思っています。
時には話を聞かず、もしくは理解しないまま弾いてしまう事がありますが、これに関してはあまりとやかく言わずに寧ろ「今、この部分はこういう風に出来て良かったと思うよ」とポジティブに話をします。
問題なのは楽器を触ろうとしない、先生の話を聞かないの両方が起こっている時です。
関心が完全にレッスンから逸れている状態だとレッスンが成り立たなくなってしまいます。
これではせっかく保護者の方がレッスン代を払ってやらせている意味がありません。
対面レッスンでやっていた時は、たまたまこれまで持っていた生徒さんが集中出来る子だったのか、さほどレッスンで集中する事が幼稚園児の子でも大きな問題になりませんでした。
オンラインレッスンではお家でやれる事、先生が画面越しなのでレッスンだという認識が小さい子にはしづらいのかもしれません。
この問題の為に未就学児のお子さんやヴァイオリン経験年数1年以下のお子さんのレッスンをお断りする先生もいる事は結構います。
私は基本的に未就学児でも完全な初心者でもオンラインレッスンを受け入れていますが、確かに難しい所で、個人差が非常にあります。
もちろん中には小さい子でも先生の話をよく聞いてレッスンで頑張っている子もいるので一言で小さい子にはオンラインレッスンをしてはいけないと言うつもりではありません。
しかし、小さい子にとってオンラインレッスンと対面との大きな差があると思います。
基準として、本を読み聞かせる時や、大人が話をする時にどのくらいの長さじっと聞いていられるかです。これが15分くらい続けばオンラインレッスンでも十分集中が出来る事でしょう。
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考える事を放棄しない
レッスンを受けていると先生の言われる事を出来るようにすることをまず目標にするでしょう。
特にテクニックに関してはそれで全く問題ありません。
しかし、それだけで終わってしまっては弾く作業が出来るようになってしまうだけで、音楽を奏でるという本質的な部分にまでは至りません。
この話をすると、初心者の方だと「まだそんなレベルまで行っていないから…」と言って、そもそも意識する事を放棄している人が多いです。
何度も書いていますが、ヴァイオリンのテクニックと音楽的内容の理解というのは切り離して考えるものではありません。
練習する曲の音楽的な内容を考えるという事は、そこの表現を自分の思う通りにするためにどういった技術が必要なのかという事を考える事にもなります。
まだテクニックが追い付かなくても考える習慣を付けるだけでもその後の上達の仕方が随分変わってきます。
少なくとも強弱や楽譜に書かれた言葉を全て無視して演奏する事は、どんなに音程が良くてもリズムを正しく弾いてもその曲を演奏しているとは言えません。
その問題を解決するためにも、音楽のフレーズや強弱、どういう音色が必要かを考える必要があります。
ヴァイオリンで音楽を奏でるとは、人の感情や考えを音で表現するという事です。
ただ音の高さやリズムを正しく弾くだけを目標にするならよっぽどロボットの演奏の方が精密です。
このあたりを忘れてヴァイオリンを弾く作業が器用になるだけにならない様に気を付けるべきでしょう。
最後に
予定がコロコロ変わってしまい、最初に書いた件以外にも急に入った、もしくはキャンセルになった予定が最近は多くあります。
今は皆誰しもが何かしらキャンセルや延期を経験している事だと思うのでイライラするだけ無意味とはわっかっていてもストレスに感じる時があります。
コンクールを準備したり人前で弾く予定のある生徒さんもいるので、そういった子達が損をする事がなければいいのですが、キャンセル、もしくは録画等他の方法になったという話も聞いています。
レッスンに関してはこれまで通りの感じで、頑張っている生徒さんは毎週新しい曲に挑戦したり、どんどんテクニックを磨いているような感じです。
頑張っている人が損をする様な世界にならないで貰いたいことを心から願っています。