滞在許可証と住民票の話
以前の記事でも書いた事がありますが、イタリアに滞在する為に必要な書類等の為に散々悩まされたりかなりの時間と労力を使ってきました。
予約を取らなければ門前払い
今までも何かの申請等は予約を取ってから予約の日時に窓口に行って対応してもらうのが普通の事でしたが、それでも予約を取らずに来る人が多く、空きがあれば対応してくれていました。
このコロナの影響もあり入れる人数制限が合う事も承知の上なので、役所や労働組合等に行く際は事前に電話かメールをして予約を取るようにしていました。
しかし、どこに行っても予約を取らずに来る人が多く、その人達の声の大きい事…。
予約を取らないと受け付けませんと何度も言っても引き下がらずに、話だけでも聞いてくれ、どこに連絡したらいい等と言ってどこの窓口も入り口でカオスを極めんばかりです。
コロナの影響で予約を取るためのメールや電話でさえすぐに出てくれない事もあります。
長い時は予約を取る為に1週間くらい返事を待つこともありました。
予約なしに来て、窓口の人達は話もろくに聞いてくれずに親切じゃないと怒る人がいますが、今の時代、ネットや電話で知る事のできる情報を調べずに、ただ窓口に来ても予約で既にいっぱいなのに対応できるわけがありません。
イタリアの役所等の窓口の人達は日本ほど丁寧でも親切でもありませんが、少なくとも予約を取ってその時間に来た人に対してはきちんとした対応をしてくれます。
カオスを極めた住民票窓口
先程Carta d`identità(身分証明書)の申請の為に市役所に行きましたが、予約を取らずに来た人達が沢山いて同時に入り口を突破しようと、押し合いへし合いの阿鼻叫喚というカオスを極めていました。
因みに私は予約をしていたのでその列には加わることなく、予約した人達の小さな列にいたので横目でそのカオスを見て、予約を取っていて良かったと思いながら通過しました。
申請自体は問題なくスムーズに終わり、対応もきちんとしてくれていましたが、入り口のコントロールの人達は予約なしで来る人の対応に神経質になっていました。
私の唯一出来る事は彼らの言うとおりに行動する、大声を出したりしない事です。
しかしなんとイタリアではこの事ができない人のなんと多い事か。
役所の人の機嫌が悪くなるのも想像に容易いです。
書いていない書類の提出を求められる
昨日、滞在許可証の申請書類を移民局で提出した時の話です。
元々オンラインで必要書類を全て提出済みで、移民局で原本の書類提出を必要とされるもののリストがあらかじめメールで記載されており、それの通りに準備して持っていったら、そのリストにない書類の提出まで求められました。
もはやイタリアならよくあることですが、この時はオケの事務の人も付き添ってくれたので「元々送られてきたメールのリストに載っていないしメールでの提出も済ませたのに何故それを提出する必要があるのか」と彼女も受け付けの人に言ってくれました。
結局一旦コピー屋さんに行って書類を印刷したりリストに載っていなかったmarca da bollo(収入印紙)を買いに行って再び提出し直しました。
この移民局でも予約なしに来る人がいて、窓口の人は彼らがなんと言おうと反応せず、予約した人にのみ話をするというもの凄いスルースキルを持っていました。
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とりあえず申請が完了した滞在許可証
移民局での書類確認が終わり、移民局で貰った滞在許可証申請キットを郵便局で送ります。
郵便局で送ることが出来た時点で次の指紋採取日が決まり、指紋採取が終わったら数か月後に滞在許可証のカードが手に入るシステムになっています。
指紋採取は郵便局でキットを送った1~3か月後が大抵指紋採取の予定日になるのですが、今回は指紋採取の日が今から数えて5か月弱後です。
前回はキットを送ってから3か月後には滞在許可証のカードが手に入ったので比較的早かったのですが、それでも早くしてくれと思っていました。
コロナで混雑を極めているとはいえ、これでは新しい滞在許可証が届くのには少なくとも半年待つことになりそうです。
この間、私はイタリアから出る事が出来ません。
滞在許可証のカードがない事で仕事にもこれ以上支障が出ない事祈るばかりです。
最後に
散々書類に振り回されていますが、外国人が海外で生活するというのはそういった面倒な事、理不尽な事も受け入れていかなければならないものです。
イタリアは歴史があるし、どの街に行っても素敵な景色を見れるて、文化や芸術にもあふれた国ですよね。
そんな素敵な場所で生活できるなんて良いですね、とよく言われますがそんな素敵なものでもなんでもありません。
日本に居れば、滞在許可証なんて面倒な書類の為に疲れなくていいし、アジア人の見た目をしているだけで黒人の人に「おい、中国人!」等と声を張り上げられることもありません。
それでもイタリアに居るのはたまたま運よく今住んでいる土地で仕事が見つかった事や、音楽家として活動のしやすさ、良い友人や仲間に出会えたからだと思っています。
日本に帰国するつもりで留学するなら、まだ軽い気持ちでイタリアに移住してもどうにかなりますが、仕事を探すつもりならよっぽどの覚悟がない限りはおすすめはしません。