ヴァイオリンレッスン日記⑦
前回のブログ投稿からかなり時間が経ってしまいました。
他に書きたいの事はあるのですがここでは定期的に書いているレッスンの様子のお話をまとめていきます。
夏休みの過ごし方
日本と比べてイタリアの夏休みはとても長いです。
私のいたトリノの音楽院で言えば、6月末が最後のレッスンで、そこから試験期間へ入り、それが終われば夏休みです。
言ってしまえば6月末から11月の新学期開始までの期間は学校でレッスンや授業を受ける事はほぼありません。
という事は、学校以外で個人的にレッスンに行ったり講習会に行かなければ何か月もレッスンを受けない事になります。
私自身、音楽院時代は音楽院の先生に夏休みの間、ピアニストとのデュオでのレッスンを受ける事はあったものの、ソロのレッスンを見て貰う事は一切ありませんでした。
私の場合は音楽院以外にピネロロアカデミーの講習会やキジアーナ、スカラ座アカデミー等レッスンやリハーサルの予定があり、勉強できるチャンスがあったので音楽院が休みでも気になる事ではありませんでしたが、こうした長い休みに積極的に動かないと本当にやることがない状態になってしまいます。
全くレッスンがなくて夏休み後にレッスンが始まったら「この長い休み何やってたの?」と先生にお説教される生徒もいるのです。
生徒自身もきちんと夏休み前の課題をこなさない事は問題かと思いますが、これだけ長い休みをレッスンなしで頑張るのは非常に難しい話ではあります。
時間のある休み期間だからこそレッスンを休まない
コロナの影響で出掛ける事が難しいという事も相まってか、私の教えているオンラインの日本人の生徒さんの多くは夏休みの時期だからといってレッスンをお休みする事が少ない様に思えます。
このあたりは流石勤勉な日本人だなと感心します。
コンクールを控えて頑張っている生徒さんもいるので勿論私はそういった生徒さん達を放っておくわけにはいきません。お盆も休まず一緒にレッスンに励んでいました。
生徒さんが夏休み期間でも向上心を高く持って頑張ってくれているので私自身も非常に励みになっています。
決して夏休みを遊んだりしてはいけないという意味で言っているのではなく、夏休みを有意義に過ごせると良いですねという話です。
遊んだり旅行したりしたい事はたくさんあるでしょうし、それで良いと思います。
メリハリをつけて遊ぶ日は思いっきり遊び、その翌日はしっかり勉強や練習に使うという風に上手く予定を管理できると夏休みの後に後悔する事がないと思います。
ヴァイオリン オンラインレッスン | SAWAヴァイオリンオンライン教室
レッスンの態度と伸びしろ
レッスンを続けていると、レッスンの様子だけでもこの生徒さんはこれから伸びるだろうな、というのは何となくわかるものです。
練習の成果が音に出るのも確かな話ですが、他には、言われた事が理解しきれなかった時や上手く出来なかった時に再び質問したり、ここが出来ないと素直に言う生徒さんも伸びしろが多いと感じます。
出来ない部分を先生に言うという事は自分の弱点を理解しているという意味にも捉えられます。
大人の生徒さんは質問する方が多いので、この点では上達できる可能性を非常に秘めていると言えます。ただ、練習の量が限られているとレッスンでやる気があっても必ずしも演奏に反映されるわけではないのでこれに限りません。
お子さんの生徒さんに関して言えばレッスンの態度と練習量が比例している感じがします。
しっかり練習してくる子は言われた事を理解しようと先生の話に集中し、自分が苦手だと感じる事について質問したりもしてくれます。
私の経験上でも、レッスンが楽しい、充実していると感じる時というのはしっかり練習してきている時です。
楽しいレッスンをするためには生徒側は練習をして準備をしておく必要がありますし、先生側は生徒さんの苦手の克服や長所を伸ばす為の指導、質問に対応できる様に勉強しておくことが必要です。
カフェトークでのレッスン
実質4月から開始したカフェトークでは、レッスン数の累計が100を超え、運営側と生徒さんからの信頼度等が考慮され、運営のおすすめ講師としてRecommendedの講師リボンを頂く事となりました。
私の元でレッスンを続けて頂いている生徒さんはペースはそれぞれあれど、皆さん熱心にレッスンを受けて下さる方ばかりなので、私自身毎回生徒さんと多くの事を勉強させてもらっています。
カフェトークでのレッスンもそうでない分でも結局レッスンはヴァイオリンの個人レッスンなのでレッスンのやり方は変わりません。
引き続き有意義なレッスンが出来るよう私自身勉強を続けていきたいと思います。
現実的な話
お陰様で定期的にレッスンしている生徒さんが増え、毎度勉強させて貰う事が多くてやりがいを感じています。
レッスンに関しては私の小さい頃の夢がヴァイオリンの先生だった事や単純にレッスンをする事が好きなのでとにかくレッスンできる事を嬉しく思っています。
さて、ここから少し現実的なお話になります。
正直言っていしまえばpaypalにしてもカフェトークや他のネット振り込みのアカウントにしてもレッスン代を頂くたびに手数料でかなり持っていかれるし、レッスンをすればするほど手数料を取られます。
レッスンをやる以上プロとしてレッスン代を頂く必要があります(なんでも無料でやってしまうと他の先生の業務妨害にもなってしまいかねませんので…)が、レッスン代の相場よりも低めの設定をしています。
取り分が全て貰える訳ではないので高くレッスン料を設定すべきか考えた事もありましたが、いくら貰える貰えないの話より、生徒さんの成長を見届けたい気持ちの方が強くてレッスンをやっているのでこの辺りはあまり神経質になるつもりはありません。
対面と違って説明だけや見せるだけでは解決出来ない問題はどうしようもない部分や、生の音を聴かないとわからないという問題もある事を考慮すると普通のレッスンより低めのレッスン代を設定して良いのかなと思ってはいます。
もう一つは、私自身、これまで無料でレッスンしてくれたり奨学金扱いでレッスン代を請求されなかった事も経験しています。
私がレッスン代を高く設定しない事や時間が許されるならレッスンを少し長めにしたり様にしている事もこの経験からきています。
きっと生徒さんやヴァイオリンのレッスンに興味がある方が見られているとは思うのでこうした数字の話をするのは正直憚られるのですが、敢えて書いておきます。
今住んでいるトリノの物価が高くないからかレッスン代の相場も安いです。これがもし私が東京やスイスの様な物価の高い所に住んでいたら今のレッスン料を設定しなかったかもしれません。
最後に
イタリアは今の所自粛要請が出ておらず、多くの人が国内やヨーロッパ圏内での旅行をしています。
私はヨーロッパに住んでいれば外国人で、かつ現在、滞在許可証の原本が届いていないので、今下手にイタリアの外に出てしまえばイタリアに戻れなくなる危険もある事もあります。
なので仕事以外でのイタリア外の旅行は今年は出来そうにありません。
因みに演奏の為にトリノの外に出たものの、州までは跨いでいません。
熱心な生徒さん達がレッスンを入れて欲しいと頼んでくれるお陰で私自身寂しい夏を過ごさなくて良くなったのでそれはそれで嬉しく思っています。