テクニックに合わせた基礎練習①
ヴァイオリンを弾く事において基礎を網羅すれば大抵の曲は弾けるようになります。
今回はテクニックに合わせた教材等を紹介していきます。
左手の強化(初級編)
セヴシック Op1-1 No.1 No.2 No.12 練習例 Sevcik Op1-1
セヴシックという教本はテクニックのみを取り扱った教本で、ほぼ全てのテクニックをこの本で網羅する事が出来ます。
最もヴァイオリンを始めて間もない人や初級の方にはセヴシックのOp1-1を練習するようにおすすめしています。
上に動画を貼りましたが、セヴシックのNo.1はこの様になっていて、一小節を何度も繰り返す練習になっています。
まずはゆっくり1音につき一弓、そこから2音につき1弓、4音、8音、16音と一弓に入る音の数が増えるにつれテンポも速くなります。
この練習の最大の目的は反復練習をする事で指が速いテンポでも動くようになる事です。
それに加えて練習の仕方次第で弓の返しやコントロールの練習にもなります。
最もこの練習で気を付ける事は
- 左手を出来るだけ無駄に動かさない
- 弦を押さえる動作は素早く、しっかり押さえる
- 弓のスピード、圧力が常に同じになる
- 一弓に入る音の数が増えた時、特に弓の配分が均等になるようにする
これらの事が最低限の条件です。
それ加えて弓の返しや開放弦と合わせて音程を綺麗に取る練習をする等プラスアルファ出来る事はありますが、初歩の段階としてまずこの4つの事が出来る様になるまで繰り返し練習すると良いと思います。
右手を自由にする
セヴシックは先程紹介したOp1以外にも運弓に関するテクニックに焦点を当てた教本を書いています。
それがOp2になります。
このOp2は全部でパート6まで分かれていて、Op1と同様膨大な数の練習のバリエーションがあります。
上の画像はOp2-1(パート1)の最初の練習のページになります。
ここでは書かれた楽譜を全弓、真ん中弓、元弓、先弓、弓のそれぞれ異なる部分を使って音を出す練習になっています。
初歩の段階だと曲を弾いていてもついつい元弓だけ、中弓だけ…等、弓のある一つの部分しか使わないで弾いてしまいがちですが、この練習を繰り返す事で弓のどの部分でも弾けるように慣れることが出来ます。
先程紹介したOp1との違いとして、このOp2のパート1の場合、二重奏で弾けるものもあります。
他の人と一緒に弾きながら練習する事が出来るので初歩のアンサンブルとして使う事も出来るので基礎を覚えながら他のパートの音を聞く事を勉強する事も出来ます。
それに加えて画像にある通り、曲の中でスタッカートやテヌート、弓の使い方などを変化させて一曲を様々なバリエーションで弾けるように作られています。
教本が進んでいくとより複雑なバリエーションが増えていき、ある程度慣れたらこの本でやったバリエーションを曲の中の練習でも取り入れて効率よく練習出来る様になると思います。
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移弦の練習
ポジション移動も含まれるので中級になってしまいますが、私は左手を骨折した時に薬指と小指が使えなかったので3,4の指を使わずにセヴシックのOp2-5を練習していました。
上2段の和音を下のModeratoと書いてある段の様にアルペジオで弾いていく練習です。
それぞれの音が異なる弦で弾く必要があるので、移弦をする時に出来るだけ滑らかに手首や指先を動かし、音と音の間が空いたり移弦の動作がぎこちなくならない様に練習します。
非常にシンプルな練習ではありますが、移弦をしながら弓の返しを滑らかにする事は厳密にやっていくと非常に難しい動作です。
意外な事にこの練習はゆっくり行う方が難しいです。
というのも、ゆっくり弾いた方が右手が移弦に合わせて滑らかに動いているかどうかが目立つため、速く弾いていれば目立たなかったボロが浮き彫りになります。
なので早く弾いてもこの練習では意味がないのでゆっくり弾きながら右手の動作がスラーを掛けて弾いている時と同じように弓の返しで綺麗に移弦をする事に注意して練習します。
最後に
今回は初歩的な基礎練習について簡単にご紹介しました。
他にもセヴシックはポジション移動、重音、ダブルストップ等のテクニックに特化したより複雑な練習の本もあります。
他の機会にまたそれらの本についても簡単にご紹介していきたいと思います。
ブログでは簡単にしかまとめていないのですが、(文字で説明すると余りに長くなるので)レッスンではより具体的に練習方法等を説明しています。
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