FACCIAMO LA MUSICA

ヴァイオリン奏者がヴァイオリンについて語るサイトです

師匠であり、同じ職場の仲間である先生

f:id:switvn:20200506182442j:plain

昨日、RAIのSNSページで、私の元師匠であり、私が現在働いているオケのコンサートマスターであるミラーニ先生の演奏の動画が配信されたので色々とこれまでの事を思い出していました。

 

今回は私の先生のお話を書いていこうと思います。

 

 

 

 

先生との出会い

トリノに来て間もない頃にRAIの首席奏者による弦楽トリオの演奏会が無料である事を知って聴きに行ったのが始まりでした。

 

その当時はイタリア語が今より離せなかったくせに度胸だけはあって、この時も例に漏れず演奏会後に演奏者控室の方へ行ってミラーニ先生に話しかけました。

 

この時に私が、演奏会がとても素敵だったこと、トリノでヴァイオリンを勉強するつもりでやってきていて、こんな素敵な音楽が出来るあなたからアドバイスを貰えたらと思っているので一度私の演奏を聴いて貰えないかと話したところ快く先生は連絡先を下さいました。

 

 

この時の演奏会は非常に印象に残っています。

 

演奏自体も素敵だったのですが、演奏の途中でミラーニ先生の楽譜が落ちてしまうというハプニングが起こりました。

 

彼はしばらく楽譜なしでそのまま弾き続けましたが、最前列のお客さんがまずいと思ったのか楽譜を拾って譜面台に置き直してくれたので演奏が中断される事もなく無事に最後まで弾ききりました。

 

そんなちょっとしたハプニングもあったのでそういう意味でも忘れられません。

 

 

尊敬する演奏家

私は習ってきた先生の中でも演奏家としてだけでなく人としてすごく好きだなと思える人はミラーニ先生だと思います。

 

勿論他の先生の事も大好きですし、また別の記事で他の先生の話も書けたらと思っているので誰が嫌いとかは絶対にないのですが特にミラーニ先生は人としても魅力のある人だと思います。

 

 

まずトリノに来て私のモチベーションを上げたのはやはり出会った先生たちの存在です。

 

この人の様に弾きたいと思ってきたので、もはや追っかけのファンの様にミラーニ先生の出る演奏会にはほぼ行っていました。

 

この記事で先生の話をするとストーカーか何か勘違いしている人と思われそうなのでほどほどにしますが、ミラーニ先生の演奏は本当に無駄がありません。

 

見た目は軽々と演奏しているのに力強い音も出るし、しっかりと届く音を持っています。

 

演奏のフォームを見ても非常に美しいので先生の演奏スタイルを真似しようとしていた時期もありました。

 

 

また、ミラーニ先生が演奏しているサンドロ・フーガのCDを聴いてからこの作品が好きになり、先生に頼んで持っている楽譜を見せてもらい、私が日本に帰国して演奏会をした際にこの作品をプログラムに入れました。

 

神秘的な感じのサンドロ・フーガのヴァイオリンソナタ第2番は隠れた名作だと思います。

 

NAXOSからCDが出ているのでご興味がありましたら是非聞いてみてください。

 

 

紹介動画

下のリンクはミラーニ先生のRAIのコンマスとしての紹介ページです。

 

紹介動画のニーノ・ロータのラ・ストラーダのヴァイオリンソロが本当に素敵です。

www.orchestrasinfonica.rai.it

 

実はトリノ鈴木メソードがあり、小さい子は鈴木メソードの教室に通う子が多いです。

 

このリンク先の紹介動画でも言っている通りミラーニ先生は4歳の時鈴木メソードでヴァイオリンを始めています。

 

この当時は遊びのような感覚でヴァイオリンを弾いており、全くプロになる意識などは持っていなかったそうです。

 

今でもその好きな気持ちや情熱が覚める事はなく、結局はそういった気持ちがプロになる道を作り、自分自身の音楽を磨く事になったと話しています。

 

 

私はイタリア語の翻訳に自信はないのでこちらの動画を詳細に翻訳する事はしませんが、この動画でニーノ・ロータを選んだ理由は20世紀のヴァイオリンソロのある主要なイタリアの作品であるからと言っています。

 

また、作品に対してこの様に残しています。

 

ニーノ・ロータの素晴らしい所はプロコフィエフの様な明るさやストラヴィンスキーの様な皮肉っぽさ、ショスタコーヴィッチの様な哀愁といった性格を上手く掛け合わせて独自の作品を生み出したところでしょう。

 

 

先生として

ミラーニ先生はオケで弾いてきた人なのでオケスタのレッスンは特に良いレッスンをして下さいます。

 

単純に弾く事だけでなく、オケの曲を勉強する時に必要な知識を教えてくれて、私のオケの曲の取り掛かり方を変えてくれるきっかけにもなりました。

 

そして先生の頭の中にはこれまで弾いてきたスコアが全部入っているのではないかと思うくらい他のパートもよく理解していて、先生の様になりたいと真似しようとするも道のりが長くて凹んだことは数知れません。

 

 

特にRAIの試験の時は他の受験者の子の質問を代わりに私が先生にメッセージしていて、色々と手間をかけさせてしまいながらも丁寧にアドバイスしてくれた事は私自身にも大きなメリットとなったり、最終試験前に教えてくれたRAIの演奏傾向(テンポやフレージング等)は本当に大きなヒントとなりました。

 

 

 

オーケストラでの姿

 

昨日RAIで公開されたミラーニ先生の動画です。

演奏されている曲はバッハの無伴奏ヴァイオリンソナタ第2番のアンダンテです。

 

 

特にRAIで仕事をする様になってから先生の事を前よりも知るようになり、先生の音楽に対する真摯さを間近で感じ、尊敬の念が増すばかりです。

 

元々ミラーニ先生の生徒だった時からそこまで先生として気を遣われたい訳でもなく、話す時も比較的ラフな感じで話すタイプの人だったのでオケに入ってから特別変わった感じはしませんが、それでも以前よりもより仲間という感じの扱いになったと思います。

 

 

穏やかでイタリア人らしい明るさもあって人に好かれるタイプの人柄にオケの仲間から信頼を得るのは想像に容易いです。

 

私も先生の様な、人としても音楽家としても素敵な人に成長していきたいです。

常に音楽に対する情熱と愛情を忘れずに成長出来るよう日々を過ごせたらと思います。

 

最後に

 この記事は先生の事を尊敬しすぎて変な人になってしまった人の記事に見えるかもしれませんし、自分でもこの記事を書いていていいのだろかと思っていますが削除する必要がない限りは公開しておこうと思います。

 

今回記事にしたミラーニ先生だけでなく、他の先生に関しても私は大きな影響を受けました。

 

この先生たちの出会いのお陰で頑張れて来れたと思うのでトリノに来てやっぱり良かったと思っています。

 

 

Home | SAWAヴァイオリンオンライン教室

 

www.sawamusicclass.com