FACCIAMO LA MUSICA

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楽器の扱いの話~弓の毛替え、弦の張り替えの頻度~

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よく楽器についての質問で、弦を変えたり弓の毛を変える、その他調整の頻度について質問されます。

 

頻度は人によるので何が正解という事を明確にする事は出来ませんが参考までに調整に関する事を今回は書いていきます。

 

 

 

 

 

 

 

 

楽器の扱いについて

楽器には触って良い部分、基本的に触るべきでない部分、または気を付けて触れなければいけない部分があります。

 

ヴァイオリンという楽器はエレキヴァイオリン出ない限り、アジャスターのネジ部分や弦、あご当てや弓の一部以外はほとんどで出来ています。

 

ヴァイオリンはニスが塗ってあるので木の部分に触れていてもそう簡単に劣化する事はないのですが、それでもニスは人の手に触れるとはがれやすくなってしまいます。

 

楽器職人の方からは「ヴァイオリンのボディは基本触らない、演奏する時にハイポジションになって手のひらがボディに触れる以外は出来るだけ触れない事」という話を聞いた事があります。

 

勿論松ヤニの粉や汚れは拭き取らなければいけないので弾いた後は必ず楽器を拭く必要がありますが、出来るだけボディをべたべたと手で触らない様に注意しましょう。

 

 

楽器の掃除

普段弾いた後に楽器を拭いていると思います。

 

もし拭いていないと松ヤニや汚れが楽器の中に入ってしまい汚れやすくなるので毎回拭くようにしましょう。

 

松ヤニが手汗によってこびりついた場合はアルコールを布に少しだけ付けて汚れた部分を拭くと取れてくれます。

 

 

出来れば普通のアルコールより、楽器屋さんで購入できる松ヤニ落としを買って落とす方が楽器には優しいと思います。

 

私の使っている汚れ落としは職人さん曰く「成分がほとんどアルコールだから普通のアルコールでも同じような効果はあると思う」とのことです。

 

 

その他に艶出しの液等もあります。

 

松ヤニ落としや艶出し液は3か月から半年に一回くらい使う様にしています。

 

あまり頻繁に使うとそれも楽器に良くないので汚れが目立ってきたらで大丈夫です。

 

 

 

内部の掃除

内部の掃除は楽器屋さんに頼んでいます。

 

f字孔から米を入れて掃除をすると汚れが落ちます。

 

他の修理で楽器の板をはがす場合はそのタイミングで綺麗にして貰う様にお願いしています。

 

以前、ある楽器屋さんに行って中の掃除をお願いしたら「楽器の板をはがすので1日では出来ません」と言われました。

 

 

楽器の板を剥がさずに掃除出来ないの?と思いましたが、そこの人は剥がさないと出来ないそうでした。

 

なので楽器の中を掃除してくださいとお願いする時に楽器の板を剥がすか剥がさないかを聞いた方がいいでしょう。(普通中の掃除だけで板を剥がす職人さんはいないと思いますが…)

 

 

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弓の扱い

弓も同じように触れて良い部分、触れてはいけない部分があります。

 

弓の毛は手で触らないようにしましょう。

 

弓の毛に松ヤニが塗っている状態で触れると手垢で弓の毛が黒くなり、毛の寿命が短くなってしまいます。

 

特に弓の元の部分は触れやすく、黒くなりやすいので触らないよう気を付けましょう。

 

 

弓の張り具合

楽器について質問される事でよくあるのが弓の張り具合です。

 

弾かない時は弓を緩めておくようにしましょう。

 

弾く時は弓が下の方に沿っている反り具合がなくならない程度に張ります。

 

弦に弓を乗せた時に(この時に手で押さえたりせずにあくまで弓自体の重さのみで)弓の木の重さで弓の毛とくっついてしまうのならば張りが弱い状態です。

 

逆に張りすぎると弓の反りがなくなり弓の木の部分が真っ直ぐになり、この状態は弓に負担が掛かるので危険です。

 

 

丁度いいのは弓の反りがある状態で、弓を弦の上に乗せても弓の木の部分と毛がついてしまわずに、木と毛の距離が弦に乗せていない状態と同じ状態になっている事です。

 

 

松ヤニの塗り方

松ヤニの塗り方は個人差がありますが、松ヤニは弾くたびに必ずしも塗る必要はありません。

 

私は二日に1回さっと2,3往復くらいするだけです。

 

 

よく粉が飛び散るくらいまで松ヤニを滅茶苦茶塗っている人がいますが、音が汚くなるので塗りすぎは良くありません。

 

毛替えをした直後であればしっかり松ヤニを塗る必要がありますが、そうでない限りは基本的に軽く2往復くらいで十分です。

 

 

BERNARDEL(ベルナルデル) バイオリン用松脂

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弓の毛替え

毛替えも個人差がありますが、速い人だと1,2か月、長いと1年に1回くらいは変える必要があります。

 

弓はキューティクルがなくなると音の発音が悪くなるので練習の量に合わせて変える頻度が変わってくると思います。

 

弓の毛は変えてすぐが一番いい状態で、弾いているうちにだんだん毛のキューティクルが落ちてくるので、毛が古くなると音をしっかり発音したいときに発音しにくくなってしまいます。

 

 

沢山弾くとすぐにこのキューティクルが落ちてしまうので頻繁に変えなければならなくなりますが、趣味で時々弾くという方はそこまで頻繁に変えなくても大丈夫だと思います。

 

とはいえ、弓の毛は消耗品なので少なくとも1年に1回は変える事をおすすめします。

 

弓の毛は楽器屋さんで変えれるのでまずは楽器屋さんに電話やメール等をして毛替えの予約を取り付けましょう。

 

毛の種類によって金額や質が異なるので、わからない場合は楽器屋さんにおすすめを聞いたりすると良いと思います。

 

 

バイオリン弓 カルロジョルダーノ BV-101 4/4

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弦の張り替え

 弦も弓の毛と同じく消耗品です。

 

変えるタイミングとしては、発表会やコンクールの1週間ほど前が良いと思います。

 

弦も弓の毛も変えてから3日から1週間たった状態が最も良い音が出てくれるので本番がある日から逆算して変えると良いでしょう。

 

余り弾かないという人でも弓の毛と同じく1年に1回は弦を張り変えましょう。

 

 

弦によってはすぐに状態が悪くなってしまうので高頻度で張替えが必要になるものもあります。

 

また、楽器によって弦の相性があるので、安い弦はだめ、高い弦は良いとは一概に言えません。

 

もし楽器と相性のいい弦がわからない場合は色々試してみると良いと思います。

 

 

私はEvah pirazziという弦を長い間使っています。

 

この弦は太くて強いのでソロの演奏にはかなり良いと思います。

 

私はevah pirazziのグリーンの昔からあるものを使っていますが、よりソロ映えするゴールドを使っている人も多いです。

 

 

弦の張り替えは楽器屋さんに頼んでやって貰えますが、慣れれば簡単に自分で出来るようになります。

 

また張替えの話については別の記事で紹介します。

 

 

最後に 

 今回は主によくある楽器に関する質問から話をしていきました。

 

弓の張替、弦はは少なくとも1年に1回、そのタイミングで楽器屋さんに楽器の状態を見て貰って調整をして貰うといいでしょう。

 

本当は3か月に1回や、より高頻度で調整をするべきでしょうけど、そこまで高頻度で皆が皆出来る訳ではないと思います。

 

 

状態が最悪になると、より修理に時間やお金が掛かるので大問題になる前に時々調整にいって職人さんに状態を確かめて貰う方が損になりません。

 

 

質問等ございましたらお問い合わせください。無料体験レッスンも行っておりますのでご興味ありましたらサイトからご連絡ください。

www.sawamusicclass.com